「11eyes-罪と罰と贖いの少女-」

【発売元】Lass
【ジャンル】蝕世界学園伝綺アドベンチャーゲーム
【評価】★★★★☆(王道好きな方に強くオススメ)
・シナリオ:★★★☆☆(色々と惜しいです、本当に(血涙))
・システム:★★★☆☆(せっかくの特殊なシステムの利点を生かし切れていない)
・グラフィック:★★★★☆(まあ可愛いかと)
・音楽:★★★★☆(なかなか名曲揃い)
・キャラクター:★★★★☆(立っているとは思いますが、一部のキャラは迂闊に感情移入すると地獄を見れます(笑))
隻眼の少年「皐月駆(さつきかける)」が、たった1人の肉親である姉を喪ったのは5年前のことだった。
幼馴染「水奈瀬ゆか(みなせゆか)」の健気な対応のお陰か、今では何とか心の平静を取り戻してはいたが、駆の心にはどこか虚無感が漂い、未来に希望を抱けないまま怠惰な日々を送っていた。
新興都市「綾女ヶ丘(あやめがおか)市」にある「虹陵館(こうりょうかん)学園」、通称「虹校(にじこう)」に通う2人。
まるで当然のように駆に寄り添い、健気に尽くすゆかだったが、無気力な駆との関係はなかなか進展しなかった。
それでも、ほんの少しずつ前に進もうとしていた2人であったが、それを嘲笑するかのように、彼らの運命は劇的な変化を起そうとしていた。
何の前触れもなく、2人は不気味に変貌を遂げた世界に投げ出される―――
街から人の気配が消え去り、まるで無人の廃墟を思わせる静寂に包まれる。
空は鮮血を満たした泉のような赤い色に染まり、墨を落としたような漆黒の月がかかっていた。
自分たち以外には誰もいないような荒涼とした世界に変貌を遂げる綾女ヶ丘。
黒く巨大な月の下、赤い夜の世界に駆とゆかは取り残されてしまったのだ。
街には人の代わりに、異形の存在が不気味に蠢き、成すすべのない駆とゆかは、ただ逃げる他になかった。
やがて、ある程度の時間が過ぎれば「赤い夜」の世界から現実に戻れることを知るが、「赤い夜」は時と場所を選ばず唐突に訪れる。
その繰り返しに疲れ果て、命の危険に晒される2人……。
そんな中で駆とゆかは、自分たちの他にも「赤い夜」の世界に投げ出されている人間、仲間がいることに気付く。
あるものは陰陽道の術を駆使して敵を圧倒し、あるものは人間離れした戦闘能力をもって敵を蹴散らしていた。
「赤い夜」の世界で出会った仲間たちは、駆とゆかの常識を超えた異能者だったのである。
赤い夜に出入りしている人間の数は、駆たちを含めて6人。
彼らは赤い夜で生き残るため、協力し合うこととなる。
だが、そんな彼らの前に明確な殺意を持って立ち塞がる6つの影。
他の異形とは比べ物にならない力を秘めた6人の「黒騎士」たちを相手に、駆たちは命懸けの戦いを強いられていくのだった。
それぞれにとって戦う意味は違っていたが、学園生活をいっしょに送り、ともに戦っていくうちに、かけがえのない仲間を守るための戦いへと変化していく。
壮絶な戦いの果てにたどり着く「赤い夜」の真実を前に、駆たちはいかなる選択をするのか……
突如巻き込まれる“赤い夜”で少年少女達はただ闇雲に戦うしかないのか。
「赤い夜」の世界に侵蝕される街を舞台に、
壮絶な戦いに巻き込まれた少年少女の運命を描く大型学園伝綺、ここに開幕。
この作品、良いところと悪いところがごった煮になっています。
まずは良いところから挙げていくことにしましょう。
グラフィックは基本的に綺麗です。
立ち絵は基本的に全員目パチ口パクです。
それに、バトルシーンがいいです。
展開などはお約束ですが、このゲームは燃えが売りなので、それを知っていて買っている方が多いと思われるので問題はないでしょう。
特に美鈴先輩の戦闘シーンにはかなり力が入っているように思われます。
それと、日常シーンのヲタトークが笑えます。
下ネタが多いですが、私的にはOKです。
あと、音楽もいいです。
某シーンで流れた曲なんて今でも耳にしただけで涙が出てきそうになります。
そして、一部を除いてキャラが立っているので、非常に感情移入しやすいと思います。
主人公は影が薄いですが。
特に雪子と貴久の終焉は必見です。
久々にゲームをしていて泣きそうになりました。
個人的に一番の見所だと思っています。
いまでもこの二人は私の中で弓凛以来のベストカップルです。
このゲーム、特殊なシステムを採用しているのですが(クロスヴィジョンモード)、これはある条件を満たせば主人公以外の登場人物の視点で物事を見ることが出来るというものです。
私は基本的に複数主人公のタイプの作品の方が好きだったりします。
もっと言えば、私は漫画などで主人公以外のカップルが出てきたらそっちをむしろ強く応援するような人間です。
少数派ですかそうですか。
で。
このゲームの最大の残念なところは、そのシステムを活かし切れていないシナリオ展開にあります。
ぶっちゃけ、複数視点を採用しているのにわざわざ一本道にする必要があったのかと。
ヒロインのルートなんてエロ差分だけ。
一名を除いて完全にエンディングは同じです。
それでも、主人公の一人ハーレムだったらこれで問題はなかったでしょう。
しかし、そうじゃないんです。
私が特に納得できなかったのは攻略対象の一人である雪子のルート。
彼女は展開によっては主人公以外の男(貴久)とつき合うことになるのですが(というか4分の3の確率でそうなる)、ぶっちゃけ、主人公とくっついたときよりも遙かにそっちの展開の方が出来がいいんです、困ったことに。
具体的に、どんな展開かというと……こちらを聴いて下さい(※ネタバレなので要注意)。
まさしくこの歌のとおりの展開が待っているんです。
激しくツボです。
個人的にこのシュチュだったらご飯五杯はいけます。
これで主人公が彼女を選んだ場合の展開が全く違うものだったら問題はなかったのですが……はい、同じでした。
(強いて言えば、雪子が貴久を殺害したあとのフォローがなくなるだけ……多分、おそらく。
すみません、あまりにダメージが大きくて雪子ルートは途中から見てないので未確認)
雪子が貴久とつき合おうとつき合わなかろうと、彼女はとあるきっかけで力を暴走させた貴久を止めるために殺害してしまいます。
このあと、彼女は彼の復讐のために単独で敵陣へつっこんで消滅することになる。
ここで考えてみて下さい。
好きになった男を自分の手で殺害することと、
気の合う男友達を自分の手で殺害すること、
どちらがより当人にとって重いと思いますか?
そして、そのあとの行動が全く同じだとしたら、どちらがよりドラマチックだと思いますか?
後者だというのなら、主人公を差し置いて別に好きでもない男のためにヒロインが命を落としたことになりますけど、それで納得できますか?
ちなみにこの間、主人公は一切雪子のために何もしていません(せいぜいがただ話を聞いてリアクションを返さなかっただけ)。
なのに、主人公とのエロシーンはあるんです。
正直、18禁なので無理にシナリオの中に入れたという大人の事情が見え見えで台無しです。
俺の涙を返してくれ、と熱くシャウトしたくなりました。
私はついうっかり最初に雪子が貴久と交際している時の展開を見てしまったので、あとで雪子を攻略できなくなりました。
さすがにあのシーンを見たあとで寝取ることなんて出来ねぇよ、どんだけ鬼畜なんだ。
個人的にはとにかくここあたりの展開をどうにかして欲しかった。
せめて、雪子エンドはあの終焉に匹敵するくらいの別の展開を用意してもらいたかったです。
でないと、あまりに弱すぎるんですよ。
雪子の主人公へ対する(逆もそうですが)恋愛感情が本当にあったのかと疑問に思ってしまいます。
これではただただ、主人公のへタレ具合だけが露見されてしまっているだけです。
主人公はこの作品の中では比較的凡人のたぐいにいるので(このテの作品のお約束で終盤いきなり覚醒しますが)それでしかたがないのですが、あまりに不憫すぎます。
この作品、コンシューマ移植されたそうですが、当然エロシーンはカットされているでしょう。
もし、コンシューマ版もこのままの展開でエロがなくなるだけだったら、雪子エンドは完全に不要となってしいます。
(まあ、逆にあの終焉を削るということもありえますが、個人的には一番印象に残ったシーンなのでかなり愚策に思われます)
つーか、無理に雪子を攻略キャラにするよりも栞ルートを作った方がよかったのでは?
こっちのほうがよっぽど攻略対象にふさわしいだろうに(彼氏持ちじゃなさそうだしな)、逆に栞エンドがなかったことの方がびっくりです。
とりあえず、これからやる方は(というかCG・回想をコンプしたい方は)一番先に雪子を攻略することをオススメします。
ただし、その時は(貴久の暴走以降に)クロスビジョン(貴久および雪子の視点)は絶対に見ないようにして、他のヒロイン攻略中に残りのクロスビジョン(同上)を見た方がよさげです(それでクロスビジョンモードは全部埋まりますので)。
せめてコンシューマ版は大きく展開を変えてあると良いのですが。
とにかく、制作スタッフ側も私と同じことを考えたのか、実はとあるヒロイン一名を攻略すればすぐにトゥルーエンドへ行き着くことが出来るようになっています 。
……をい(^^;)
他にも実はメインヒロインだと思ったキャラが実はメインではなくそのうえヤンデレ化したり、(私にとっては)一番印象の薄かったヒロイン(でもキャラデザは一番好みだったりする)が実は最重要だったりと色々と驚かされたので(まあ後者についてはこのメーカーは前科がありますが(笑))、王道といっても一筋縄ではいかないという印象を受けました。
しっかし、今回、ずいぶん感情的なことを書いているなあ(^^;)ゝ
(一応自覚はしている)
まあ、それぐらいキャラは立っていたということなんですが。
そういうワケで、私にとっては非常に惜しい作品でした。
まずは良いところから挙げていくことにしましょう。
グラフィックは基本的に綺麗です。
立ち絵は基本的に全員目パチ口パクです。
それに、バトルシーンがいいです。
展開などはお約束ですが、このゲームは燃えが売りなので、それを知っていて買っている方が多いと思われるので問題はないでしょう。
特に美鈴先輩の戦闘シーンにはかなり力が入っているように思われます。
それと、日常シーンのヲタトークが笑えます。
下ネタが多いですが、私的にはOKです。
あと、音楽もいいです。
某シーンで流れた曲なんて今でも耳にしただけで涙が出てきそうになります。
そして、一部を除いてキャラが立っているので、非常に感情移入しやすいと思います。
主人公は影が薄いですが。
特に雪子と貴久の終焉は必見です。
久々にゲームをしていて泣きそうになりました。
個人的に一番の見所だと思っています。
いまでもこの二人は私の中で弓凛以来のベストカップルです。
このゲーム、特殊なシステムを採用しているのですが(クロスヴィジョンモード)、これはある条件を満たせば主人公以外の登場人物の視点で物事を見ることが出来るというものです。
私は基本的に複数主人公のタイプの作品の方が好きだったりします。
もっと言えば、私は漫画などで主人公以外のカップルが出てきたらそっちをむしろ強く応援するような人間です。
少数派ですかそうですか。
で。
このゲームの最大の残念なところは、そのシステムを活かし切れていないシナリオ展開にあります。
ぶっちゃけ、複数視点を採用しているのにわざわざ一本道にする必要があったのかと。
ヒロインのルートなんてエロ差分だけ。
一名を除いて完全にエンディングは同じです。
それでも、主人公の一人ハーレムだったらこれで問題はなかったでしょう。
しかし、そうじゃないんです。
私が特に納得できなかったのは攻略対象の一人である雪子のルート。
彼女は展開によっては主人公以外の男(貴久)とつき合うことになるのですが(というか4分の3の確率でそうなる)、ぶっちゃけ、主人公とくっついたときよりも遙かにそっちの展開の方が出来がいいんです、困ったことに。
具体的に、どんな展開かというと……こちらを聴いて下さい(※ネタバレなので要注意)。
まさしくこの歌のとおりの展開が待っているんです。
激しくツボです。
個人的にこのシュチュだったらご飯五杯はいけます。
これで主人公が彼女を選んだ場合の展開が全く違うものだったら問題はなかったのですが……はい、同じでした。
(強いて言えば、雪子が貴久を殺害したあとのフォローがなくなるだけ……多分、おそらく。
すみません、あまりにダメージが大きくて雪子ルートは途中から見てないので未確認)
雪子が貴久とつき合おうとつき合わなかろうと、彼女はとあるきっかけで力を暴走させた貴久を止めるために殺害してしまいます。
このあと、彼女は彼の復讐のために単独で敵陣へつっこんで消滅することになる。
ここで考えてみて下さい。
好きになった男を自分の手で殺害することと、
気の合う男友達を自分の手で殺害すること、
どちらがより当人にとって重いと思いますか?
そして、そのあとの行動が全く同じだとしたら、どちらがよりドラマチックだと思いますか?
後者だというのなら、主人公を差し置いて別に好きでもない男のためにヒロインが命を落としたことになりますけど、それで納得できますか?
ちなみにこの間、主人公は一切雪子のために何もしていません(せいぜいがただ話を聞いてリアクションを返さなかっただけ)。
なのに、主人公とのエロシーンはあるんです。
正直、18禁なので無理にシナリオの中に入れたという大人の事情が見え見えで台無しです。
俺の涙を返してくれ、と熱くシャウトしたくなりました。
私はついうっかり最初に雪子が貴久と交際している時の展開を見てしまったので、あとで雪子を攻略できなくなりました。
さすがにあのシーンを見たあとで寝取ることなんて出来ねぇよ、どんだけ鬼畜なんだ。
個人的にはとにかくここあたりの展開をどうにかして欲しかった。
せめて、雪子エンドはあの終焉に匹敵するくらいの別の展開を用意してもらいたかったです。
でないと、あまりに弱すぎるんですよ。
雪子の主人公へ対する(逆もそうですが)恋愛感情が本当にあったのかと疑問に思ってしまいます。
これではただただ、主人公のへタレ具合だけが露見されてしまっているだけです。
主人公はこの作品の中では比較的凡人のたぐいにいるので(このテの作品のお約束で終盤いきなり覚醒しますが)それでしかたがないのですが、あまりに不憫すぎます。
この作品、コンシューマ移植されたそうですが、当然エロシーンはカットされているでしょう。
もし、コンシューマ版もこのままの展開でエロがなくなるだけだったら、雪子エンドは完全に不要となってしいます。
(まあ、逆にあの終焉を削るということもありえますが、個人的には一番印象に残ったシーンなのでかなり愚策に思われます)
つーか、無理に雪子を攻略キャラにするよりも栞ルートを作った方がよかったのでは?
こっちのほうがよっぽど攻略対象にふさわしいだろうに(彼氏持ちじゃなさそうだしな)、逆に栞エンドがなかったことの方がびっくりです。
とりあえず、これからやる方は(というかCG・回想をコンプしたい方は)一番先に雪子を攻略することをオススメします。
ただし、その時は(貴久の暴走以降に)クロスビジョン(貴久および雪子の視点)は絶対に見ないようにして、他のヒロイン攻略中に残りのクロスビジョン(同上)を見た方がよさげです(それでクロスビジョンモードは全部埋まりますので)。
せめてコンシューマ版は大きく展開を変えてあると良いのですが。
とにかく、制作スタッフ側も私と同じことを考えたのか、実はとあるヒロイン一名を攻略すればすぐにトゥルーエンドへ行き着くことが出来るようになっています 。
……をい(^^;)
他にも実はメインヒロインだと思ったキャラが実はメインではなくそのうえヤンデレ化したり、(私にとっては)一番印象の薄かったヒロイン(でもキャラデザは一番好みだったりする)が実は最重要だったりと色々と驚かされたので(まあ後者についてはこのメーカーは前科がありますが(笑))、王道といっても一筋縄ではいかないという印象を受けました。
しっかし、今回、ずいぶん感情的なことを書いているなあ(^^;)ゝ
(一応自覚はしている)
まあ、それぐらいキャラは立っていたということなんですが。
そういうワケで、私にとっては非常に惜しい作品でした。
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